2009年初出 イダタツヒコ
小学館サンデーGXコミックス 全3巻
外宇宙から異星人の惑星改造用のプラントが事故で日本に落下し、そのクレーター内でのみ制限付き異星間外交が始まった時代の物語。
ここだけ読むとものすごくガチで本格SFだ!とびっくりする人も居るかもしれませんが、実は70年代テイストの濃厚なバカSF。
主役は巫女である烈香で、体内に超生命体を取り込む彼女はとにかくバット一本で何でも祓う。
穢れだろうが亜空間兵器だろうがヤクザだろうがとにかくバット一閃。
アパッチ野球軍とか侍ジャイアンツとか好きだった人はたまらんのではないでしょうか。
オマージュ、ってわけじゃあないんでしょうけど、八方破れで荒唐無稽な匂いはあの頃と同じ。
SF+70’sパロディというオッサンにはたまらんテイストが私は実に好きだったのですが、残念ながら3巻で終了。
どうも打ち切りっぽいです。
今の子供にはこの世界観のおもしろさがわからなかったか。
なんせサンデーGXですしね。
まあ確かにあれこれ欲張りすぎて、ストーリーがごちゃごちゃしすぎたきらいはあるし、バットひとふりにいちいち技の名前を付けるのはいささかしらけ気味でしたが、こういうSFコメディってなかなかないだけに惜しまれます。
もう少し続けばイダタツヒコのことだからきっと一筋縄では済まぬ仕掛けであっといわせてくれただろう、と思うんですが。
どこかで続編を描いてくれないかなあ、と今でも思ってるシリーズですね。