誰かがカッコゥと啼く

2006年初出 イダタツヒコ
小学館少年サンデーGXコミックス 全3巻

私にとっては本当に仰天させられた一冊。

過去作が嘘のようだ、とすら思いましたね。

近年では類を見ないほどの強烈な悪夢系ホラー、と言って良いんじゃないでしょうか。

数ある破滅と再生を描いた物語の中でも群を抜いて妄想にどっぷりと浸り、電波飛ばしまくった挙げ句、内宇宙的なカタストロフを演出している漫画・・・って、もうほとんど何を言ってるのかさっぱりわかんないと思いますが、文章で説明できないです、この世界観。

一歩間違えれば作者の独りよがりで終わってしまいそうなこの題材をよくぞここまでエンターティメントに仕上げたことと思います。

この内容でまたきちんとオチがあるってのが凄い。

ほとんどの漫画家はまとめきれませんよ、こんな物語。

イダタツヒコのひとつの到達点と言っていい大作。

個人的には楳図かずおと伊藤潤二の間隙を突いた妄想系ホラーの金字塔、と称賛を送りたい。

問答無用で傑作。

この作品を掲載したサンデーGXはつくづく懐が深い。

ぜひともヒロイン村田郁美の気味悪さに震えて下さい。

「ひぐらしのなく頃に」とか好きな人は間違いなくはまると思います。

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