モータルコンバット

アメリカ 2021
監督 サイモン・マッコイド
脚本 グレッグ・ルッソ、デイブ・キャラハム

世界的な人気を誇る対戦格闘ゲームを映画化した作品。

1995年にも一度映画化されてるらしいんですけど、そもそもゲームの存在自体を知らない私のような人間にとってはリメイクだろうとリブートだろうと、なんでもかまわないんだけど、ってな感じでして。

これまで幾度となく書いてきましたが、やっぱりビデオゲームの映画化って、ハードル高い企画だと思いますしね、ゲームファンとそうでない人の間での温度差はどうしたって埋めがたいものがある。

過去の例をつらつらと列挙するまでもなく、映画として完成度の高い一品に化ける確率は限りなく低いですよね。

本作も残念ながらご多分に漏れることはなく。

いやもう、誰が見てるんだこれ、って出来栄えなんですけど、それでもそこそこの興行成績をあげてるんだから本当に信じられない気持ちだ。

そりゃこの手の企画に乗ずる連中が後をたたないはずだよなあ、と思ったり。

ちょろい、と思われてるぞ、ほんとマジで。

なめられてるから、我々。

ゆえに生粋の映画ファンとしては追撃の手を緩めるわけにはいかないんだけど、いきなり「魔界からの刺客と地球の守護者の戦い」と言われた時点で、もうどうでもいいか・・・と思ったりもする。

しかもなんか忍者装束だったりするんですよ、敵も味方も。

太秦映画村(東映京都撮影所の運営するテーマパーク)でもここまでデタラメはやらんぞ、と思えるような設定でしてね。

多分、ランドセル背負ってるような子供ですら、このお膳立てにはのれないと私は思う。

きっと鬼滅の刃や呪術廻戦のほうがずっと面白いだろうし(詳しくは知らないけど)。

ゲームに夢中になったおっさんしか見てないんじゃないか?という気がしますね。

なんかね、アメリカ人が勝手に夢想するオリエンタルミステリな東洋趣味がそのまま世界観に反映されてる点も2022年とは思えなくて。

さらには微妙に香港映画風味も混ざってるのがいかにも、としか言いようがなく。

しかし、こんな映画にほぼ準主役といっていいポジションで出演してる真田広之の心中はいかようなものなのか、マジで知りたいですね。

こんなの還暦迎えてまでやるような仕事か?と。

これでいいのならJAC辞める必要なかったし、千葉ちゃんの元で影の軍団の続編でも作ってりゃよかったじゃん、って話だ。

ありがちだけど、シナリオもひどいです。

対戦格闘ゲームから物語を編み上げることが難事業なのはわかるけど、ここまで主役をないがしろにするか?と。

ま、CGやソードアクションはそれなりに凝ってました。

それだけですね。

1週間前の夕食、何を食ったっけ?のレベルで脳内の記憶が上書きされていく一作。

話の筋が通らないだけでなく、何をどうすれば盛り上がるのかもまるでわかってない、勉強できない子供の雑然とした机の上みたいな作品。

確かに金かかってるけど、これならyoutube見てるほうが面白い、と言われて否定はできんと思います、私は。

シリーズが11作目を数えるほど人気なのか、と驚いたプレステ4のソフト。もちろんやったことないです。
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