2009年初出 小田ひで次
講談社KCデラックス 1巻
超小型のマンモスが突然現れたことによる騒動を描いたホームドラマなんですけど、いやいやいやマンモスって、どうよ?と思わず考え込んでしまった一作。
マンモス、小型でかわいいか?と。
あと小型であることがマンモスという生き物の特徴、アピールポイントを増大し、付加価値を与えることに成功してるか?と。
力持ちなのはいいんですけど、他になにもないから、手乗りマンモス。
うーん、マンモスを小型化しよう、と思いついた時点でしくじってるような気が・・・。
せめてね、マンモスが人語を解するとか、しゃべるとかすればまた違ったかと思うんですよ。
そしたら藤子児童漫画風に、物語も多様に発展できた、と思うんです。
現状、設定が奇抜な割にはフットワークの悪い中途半端なメルヘンですしね。
ミヨリの森(2003~)にも通じる自然讃歌な訴えかけが見え隠れするんで、ある種、同じ路線を狙ったのかもしれませんが、私はちょっとついていけなかったですね。
どこへ行く、小田ひで次。
今のところ(2021年現在)この作品が作者のメジャー誌における最後の連載、というのがなんとも・・・。
勝手な憶測ですが、振り返るなら、拡散(1993~)ですべてを描ききっていた、というのがこの特異な漫画家の皮肉な現実だったのかもしれません。