おはようひで次くん!

2005年初出 小田ひで次
エンターブレインビームコミックス 1巻

一体どこまでが現実に即してるのか、さっぱりわからない虚々実々な内容のエッセイコミック。

ご自身でもつっこんでらっしゃるが「小田ひで次みたいな漫画家がやることじゃねえなあ」ってのは私も思う。

らしくないのは確か。

私はエッセイコミックって、普通の人が経験しないようなことを描く「トピック性」があるか、作者自身に「芸」がないと成立しない、と思ってるんで。

売れない漫画の日常を軸としてアレンジ、ではちょっと弱いですよね、どうしたって。

ただそういうのを一切合財抜きにして読むなら、おじさん漫画家の平成漫画家残酷物語ってな感触でそれなりに楽しめる。

特に主人公のひで次君のだめっぷり、屈折具合に共感する人も結構いるのでは、と思いますね。

ここまで自分をくさすのか、と言う部分で、笑いの感情を喚起しないわけじゃない。

結構、毒も吐いてますしね。

また隣の3姉妹のキャラクターがいいんですよね。

上手にやれば、独特のゆるさが癖になる作品に化けそうな気もするんですが、世間が作者に求めてるのはきっとこういうことじゃないと思うんで。

そのギャップを埋められるかどうか、新規に参入してくる読者をどこまで獲得できるか?が鍵だと思ってたんですが、連載はあえなく2巻で終了した模様。

人気が出なかったのか、描けなかったのか、どちらかわかんないんですけど、悪くはないが迷走、と捉えられがちかもしれません。

ファンは新たな一面を発見できて楽しめるかも。

余談ですが、個人的にはもうちょっとタイトルひねろうよ、と思いました。

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