パラグアイ 2019
監督、脚本 ウーゴ・カルドーソ
病院の夜間警備員を務める青年が、深夜の死体安置所で経験した恐怖を描くホラー。
低予算映画なのにも関わらず本国で異例のヒット、リメイク権の争奪戦が起こった、と聞いて手にとった1本なんですが、ま、結論から書いちゃいますと「なぜこの作品が?」って感じですかね。
パラグアイの映画なんてこれまで見たことがないんで、ホラーに限らず映画産業自体が活況を呈しているのかどうかすらわからないんですけど、それなりの出来、というのが偽らざる感想ですかね。
杜撰だとか、下手だとは思わなかったんですが、あまりにも王道。
ホラーの定形を地で行く映画、とでもいうか。
モルグでなにか怖いことが起こるのかな?と思ってたら、その通りでしたし。
格段、大きな裏切りや予想外の展開が待ち受けてるわけでもなかったですし。
また、恐怖演出がほんと教科書通りで。
音がした、カメラが右にパンした、はい、なんか得体のしれない「怖いやつ」がアップで写ってますよ、驚いて~~!みたいな。
一事が万事その調子でして。
もう、全部わかっちゃうんですよね。
ホラーに不慣れな人をキャーキャー言わせる分には、直球勝負であるがゆえ最適、と言えるかもしれませんが、私みたいに年間の消費数が二桁以上だと、怖くもなんともないわけでして。
もうちょっと想像力を刺激してくれないことにはオジサン、退屈だなあ、とついついビールのプルトップあけてポテチ食いだしたりしちゃったり。
因果応報を、説教臭く締めくくるエンディングもあんまり好きになれない。
江戸時代の怪談噺じゃないんだから。
そこは地域性なのかもしれないですけどね。
この作品のなにがパラグアイの観客の琴線に触れたのか、ぶっちゃけよくわからないんですけど、これをそのまま北米でリメイクしたところで絶対に当たらんぞ、と思いますね。
どうせなら主人公の彼女も巻き込んで、バラバラ惨殺死体をモルグに並べるぐらいのことをやりゃあよかったのに、と思う私はマジで酷い奴かもしれません。
基本、一人芝居なのがある意味で難易度を高めてるのかもしれませんね。
あと、予告編で「実話」とテキストが流れますけど、これ嘘です。
病院関係者に取材して聞いた怖い話を監督がつなぎ合わせた、というのが正解。
決して悪くはないんだけど、どちらかといえばホラー初心者向け、といったところでしょうか。
うーん、数ヶ月で内容忘れてしまいそうな・・・。