アメリカ/ドイツ 2019
監督 ヨナス・アカーランド
原作 ビクトル・サントス
引退間近の凄腕な殺し屋と、組織の暗闘を描いたガンアクション。
個人VS組織で、主人公は壮年、とくればどうしても思い出されるのがジョン・ウィック(2014)だったりしますが、まあぶっちゃけ似たような感じです。
双方ともグラフィックノベルっぽい内容ですしね。
本作は実際にウェブコミックが原作らしいですけど。
違いがあるとするなら、ジョン・ウィックがアクションにこだわり、ガンフーを編み出したのに対して、ポーラーは細かいカットをつないでいく流行のスタイルでアクションを演出していることでしょうか。
ま、スター映画でしょうね。
突き詰めるなら、マッツ・ミケルセンがかっこいいからすべて許すのか、それとも許さないのか?が、満足度に差を生じさせるのではないかと。
マッツ抜きで考えるなら、もう少しキャラ立てにこだわっても良かったかな、という気はしますね。
中途半端にヒルデみたいなキャラを配置するなら、悪ふざけと揶揄されようが組織の殺し屋連中をバカと紙一重なレベルで飾りたてるべきだった。
このプロットでリアリズムに徹するというのも相当難しい話なんでね、そこは割り切って、もっと遊んでもよかったと思うんですよね。
北欧の監督がメガホン握ってるんで、そういう感覚はあまりないのかもしれませんけどね。
主人公に匹敵する凄腕が現役世代に1人も居ないというのも、いささかうかつだったように思います。
主役無双になっちゃうのはこの手の映画の定番といえばそうなんですけどね、シリアスな方向にしか活路を見いだせないなら、予定調和を壊すぐらいのことはやっても良かったと思うんですよね。
指揮棒を振るうかのように敵を皆殺しにするシーンや、最後に思わぬ真相が明らかになる展開等、それなりのフックは用意されてるんで、大きく期待しなければそれなりに楽しめるかもしれません。
雪山でフルチンはちょっと笑ってしまったけれども、うん。
相変わらずマッツは激渋なんで、ファンなら物足りなさにも目をつぶれるでしょう。
ま、嫌いではないですね、うん。