香港 2007
監督 ウィルソン・イップ
脚本 セット・カムイェン、ニコール・タン
えー、ストーリーはですね、一体これまでどれぐらい似たような内容の作品を作ってきたんだ、と思わずぼやきたくなるほど黄金のマンネリズムを貫いててですね、「はみだし刑事が悪党を腕力でねじ伏せる」という定番のお家芸を本作も飽きることなくやってるわけですが、私は今回初めて、あ、映画らしくなってる、と思いましたね。
監督は「SPL/狼よ静かに死ね」のウィルソン・イップなんですが、腕上げたな、と思いました。
いちいち余計な説明をしないんですね。
絵でわからせる、というとちょっと大げさですが、見ているうちにどういう物語か観客が自然にわかってくる作りになってる。
おかげでクサいセリフに閉口したり、 先の読める語り口にうんざりすることなく楽しめた、というのはあります。
特にエンディング、川沿いの草原で繰り広げられる銃撃戦、格闘シーンはおだやかな風景との対比もあって、ドニーイェン屈指の出来であった、と思います。
大胆に導入されている総合格闘技の動きはSPLよりさらに比率を増してほとんどカンフー色はありません。
まさか映画作品で飛びつき腕ひしぎ逆十字やアンクルホールド、スイング式フランケンシュタイナーを見るとは思いもしませんでした。
手に汗握るリアリズムです。
相当な研究と修練を積んだんだろうなあ、というのが伝わる凄まじい肉弾戦は必見、といっていいでしょう。
香港アクション映画界のネクストステージに立つ作品であることは間違いありません。
もうストーリーとか別にどうでもいいや、と思える迫力に脱帽、といったところでしょうか。
いやー凄かった、降参です。
コメント
[…] 導火線 FLASH POINT […]