1985年初出 吉田秋生
白泉社ジェッツコミックス
80年代の女子高校生の日常を、吉田秋生らしいあけすけで飾らないタッチで描いた連作短編集。
確か映画化もされましたね。
5、6人いるメインの登場人物が各話ごとに主人公になる形式が独特ですが、やってることはいつもの吉田秋生です。
等身大にリアルで、過剰に飾ることもなくて。
少女が夢想することなく現実と折り合いをつけようとするストーリーは、きっと多くの共感を呼んだことだろうと思います。
男性がほぼ出てこない作劇が興味深いですが、なんせチェーホフですからあれこれ含むものがあったのかもしれません。
チェーホフなんて読んだことないからさっぱりわかりませんけどね。
ただこの頃から、なんだか吉田秋生は女性をかわいく描けなくなってきてるような気がしますね。
意図せず中性的になっちゃってるというか。
どうしたんでしょうね。
ある意味、作者にとって過渡期に描かれた作品、と言えるかもしれません。
旧来のファンは楽しめる一作なんじゃないでしょうか。