インドネシア 2011
監督、脚本 ギャレス・エヴァンス
イギリス人の新鋭監督であるギャレス・エヴァンスが、たまたま訪れたインドネシアに惚れこみ現地で撮影したアクション映画。
SWATと非合法組織の高層アパートにおける肉弾バトルを描いた作品なわけですが、まあシナリオはね、あってないようなものです。
アパートの住人すべてが敵となった死地においてSWATのメンバーは無事脱出できるのか、ってのが見所なわけですが、そこに「ダイハード」のようなギリギリの駆け引き、工夫を凝らした物語作りはありません。
とにかく腕ずく。
群がる敵をただひたすらぶっ倒してとにかく前へ進む、というどこぞのアクションゲームのような有様になってます。
香港カンフー映画に近い、といえば近いかも。
東南アジアの伝統武術であるシラットを駆使するイコ・ウワイスの格闘シーンが話題になりましたが、これ、素人目にはどういう点がシラットならではの動きなのか、よくわかりません。
やたら猿臂をガンガンあててくるなあ、とは思いましたが、他の動きはジャッキーチェンが多くの映画で披露してきた組み手の型とあまり違いがあるようには思えませんでした。
むしろかつて見た、「マッハ」のトニージャーのムエタイな動きの方が私にとっては斬新でしたね。
ただこの作品、武術の技を競い合う格闘アクション風でありながら、設定は警察とギャングの殺し合いですんで、容赦なく人がバンバン死んでいく残酷な描写目白押しでして、そこが他とは違う点である、といえるかもしれません。
格別ぬきんでたアクション映画である、とは私には思えませんでしたが、限られた予算でこれだけ濃厚なものを作り上げた手腕は評価されてもいいかも、とは思いました。
次、どういうものを作ってくるかに注目したいと思います。
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