悪魔の花嫁

1975年初出 池田悦子/あしべゆうほ
秋田書店プリンセスコミックス 1~4巻(全17巻)

子供の頃、なぜか一生懸命読んでいた作品で、懐かしくて再読したんですが、いやー凄かった。

もう、どこからつっこんでいいのか、わかんなくなってしまうぐらい強烈でした。

ホラーテイスト濃厚なシリーズですが、子供の私が敏感に反応したのは各話で描かれる異形の存在であり、怪奇現象だったんだろうなあ、とあらためて思ったりもしました。

多分楳図かずおを読むのと同じような感覚で読んでいたんでしょうねえ。

実はこの作品がテーマとして描いている「報われぬ恋に悩む悪魔」という悲劇のロマンス部分は見事にスルーしていたように思います。

それにしてもまあ背徳的でお耽美だ、とつくづく感心しました。

突き詰めるならこれ、近親恋愛は是か非か、にまで議論は及んじゃうと思うんですよ。

そんなきわどい命題を懐に隠し持ちながら、安いオカルトと余所の悲恋話でまだ連載継続中、と言うのですから本当に恐れいります。

なにかと辻褄が合わない箇所とか、荒唐無稽だとか、色々あると思うんですけどね、これはもうとやかくいうレベルにはないんだと私は思います。

デイモスと美奈子、ヴィーナスの三角関係、これをいかに清算するのか。

すべてはそこですよね。

韓流ドラマが薫陶を受けたのでは思われそうながんじがらめの設定、見事終わらせることができた日こそ、評価は定まるんではないでしょうか。

キャラの誰かがくたばらない限り無理、という気もしますが。

大看板ですが、実は70年代少女マンガ界、屈指の怪作だと思います。

私は4冊でギブアップ。

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