1986年初出 望月三起也
ぶんか社コミック文庫 全8巻
なんとなく中途半端に、主人公生死不明のまま終わってしまったワイルド7の続編なんですが、記憶喪失に苦しむ飛葉が記憶を取り戻すために再び闘いの渦中に身を投じてゆく序盤から、いつの間にか新しいワイルド7結成へとストーリーはシフトしていき、最終的にはAリアンと名乗る国際的な巨大犯罪結社との闘いを描く展開に落ち着く、というどこか定まらない内容だったりします。
多分、ワイルド7終了後に発表された短編に、むりやりお話をつなげたんだと思います。
リアルタイムで読んでないんで詳細は知りませんが。
で、それなりに物語は締めくくられたのか、というとそういうわけでもなくて。
Aリアンとの最終決戦を迎えるわけでもなく、なんとなく完結。
人気の問題なのか、それともコミックバンバンが廃刊になったせいなのか、
わかりません。
掲載紙が少年誌でなかったことも影響してか、旧シリーズより、若干目線は大人向けかと思うんですが、デティールにこだわる割には、シナリオが雑という印象もあり。
わざわざ仕掛けた伏線や設定をちゃんと回収してくれないんです。
いいんだよ、細かいことは、それでも充分おもしろかったろ?ってのこそが望月三起也の醍醐味なのかも知れませんけどね。
まあ、ファンとしてはまた飛葉の活躍をまた読むことが出来る、ってだけで良しとしましょうか。
少し大人びたワイルドの渋い佇まいが本作最大の魅力ですかね。