虚無戦記

1999年初版 石川賢
双葉社アクションコミックス 全7巻

過去、石川賢が発表してきた作品の中で世界観を同じくするものを集め、ひとつのシリーズとして再構成したもの。

収録されている作品は、

新羅生門
次元生物奇ドグラ
ドグラ戦記
虚無戦史MIROKU 全5巻
5000光年の虎
邪鬼王爆烈
スカルキラー邪鬼王 全2巻

の、短編、長編おりまぜた全7作品。

もちろんファンであった私は全作品読んでいるわけですが、それぞれ加筆修正、増ページがある、となると買わないわけにいかない。

これらの7作品がどのように虚無戦記としてシンクロしていくのかも気になりましたし。

ところがです。

長年の謎であった、ラ・グース宇宙とはなにか、はるか遠い宇宙で繰り広げられるすべてを無にしようとするものとの永劫の戦いとはなんなのか、その謎がいよいよ解き明かされる!という段になって、第一部完・・・・。

愕然呆然仰天唖然。

そ・れ・が・知りたいが・た・め・に、読んだことのある作品でも辛抱して買い続けたのに、なんじゃそりゃあ!と怒り心頭。

熱烈なファンであったが故に、サギじゃねえかよ!と思わず口走ってしまった愚かな私をお許しください。

でもね、描けないんだったらシリーズとしてまとめるべきじゃなかった、と思うんです。

たとえ酷評されることになろうとも石川賢はそれなりの結末をここで提示すべきだった。

自分でハードルをあげすぎちゃった、というのは私にも理解できます。

だけど、ここまでお膳立てを整えておいて描かない、というのはやっぱりなによりも一番の裏切りだと思う。

結果、ただの総集編になっちゃってますし。

以降、急速に醒めちゃって作者の作品を追わなくなったんですが、最近またぽつぽつ昔の作品を買ったりはしてますね。

いい時もあったし・・・って。

この一作が完結してこそ石川賢は永井豪とは似て非なる巨人であった、と証明できたはず、と私は睨んでるんですが、それももはや幻となりはてて幾星霜。

今はただ在りし日の面影を偲ぶのみ、ですね。

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