邪鬼王爆烈

1988初版 石川賢
朝日ソノラマサンコミックファイターシリーズ

天変地異により廃墟と化した関東で、拳が音速を超えて敵を爆烈させる世紀末救世主の活躍を描いたSFバイオレンス・・・って、北斗の拳やないかーい!と、石川マニアすらも巻き込んで怒号のつっこみが聞こえてきそうな頭の痛い一作。

主人公が僧侶だったり、敵が信長だったりと、妙に小手先なネオ戦国時代劇風で、石川賢らしさがなくはないんですが、じゃあおもしろいのか、と問われると、はい、とはさすがに答えられません。

掲載誌が途中で休刊してしまったので、ストーリーもこれから、というところで未完になっているんですが、たちが悪いのはこの作品がのちの虚無戦記シリーズに組み込まれてしまったこと。

ファンとしちゃあ、読まないわけにはいかないじゃないですか。

箸にも棒にもひっかからぬ、と言うのが正直なところなんですが、凡打も多いのが石川賢なんで、そこはもうあれだ、こういうものもあった、ということでそっと本棚の片隅に眠らせておくのが正解でしょう。

熱烈なファン向けです。

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