番長惑星

1975年初出 石ノ森章太郎
竹書房文庫 全3巻

リュウシリーズ第二作現代編。

パラレルワールドをテーマに取り組んだ意欲作なんですが、少年チャンピオンという掲載紙の性格上か、ケンカ上等全国制覇みたいな、いわゆる後年のヤンキーもの的要素も過分にあり、それが正直うっとおしい、というのはどうしてもあります。

SFにしたい、という作者の意図と、編集側で葛藤があったのか、内容もアンバランスでちぐはぐな印象を私は受けました。

序盤で登場させたキャラクターが全く終盤では必要なくなってたり、中盤までの展開が後半では意味を成さなくなっていたり。

しかしそれにしても石ノ森先生はUFOが好きだ。

そういう時代だったのかも知れませんけど。

ストーリーの流れからするとエンディングはもっと劇的になってもおかしくはなかった、と思うんですが、何となくあわてて後片づけをしたような感じになってしまったのも、物語の方向性に迷いがあったからかもしれません。

おもしろくなりそうな予感があっただけに残念。

序盤の緊張感を持続できなかった惜しい作品。

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