アメリカ 2014
監督 ゲイリー・ショア
脚本 マット・サザマ、バーク・シャープレス
近年発表されたアイ・フランケンシュタイン(2014)といい、昨今のハリウッドは誰もが知る怪物をダークヒーローに仕立て上げるのがブームなのかもしれませんが、いやこれはさすがに無理があるでしょうよ、のただ一言ですね。
だって串刺し公ヴラドですよ。
何千人単位で民を血祭りにあげ、悪逆非道の限りを尽くした男が家族愛で国を守るって、もう人格崩壊してるというか、究極の厚顔無恥としか言えないですし。
ブラム・ストーカーも草葉の影で激昂。
とりあえずシナリオがダメすぎ。
なんのダイジェストなんだよ、とぼやきたくなるぐらい表層的で短絡的。
それっぽいシチュエーションだけで物語は編めぬわけで。
そもそも洞窟の悪鬼とヴラド公がどういうルールの約束を交わして現状に至るのかすらよくわからないという杜撰さに軽く偏頭痛。
またヴラドの嫁が一国の王女とは思えぬほど感情的なだけの大馬鹿女で。
もう見てて終始イライラしっぱなし。
ドラキュラ対一個師団の戦闘も全然カタルシスの得られない稚拙な構図の連続で盛り上がらぬことこの上なし。
勘弁してください、ほんと。
ラストシーンを見る限り、続編に意欲的なようですが、もうね、そっとしておいたほうがいいと思います。
何度も早送りしたくなりました。
私にはなにもかもが受け止められない一作。