アメリカ 2014
監督 ジョー・リンチ
原案 ジョー・リンチ、イェール・ハノン
全然期待してなかったんですけど、予想外にちゃんと作ってあってびっくり。
ヤクザに監禁され、売春を強いられていた女が、警察と内通していた事を知られ、殺されそうになるが、逆に皆殺しにしちゃったせいで送り込まれる殺し屋との死闘を余儀なくされる、という絶対不利を描いたアクション。
まず私はこのプロットを密室劇でやろうとしたことに感心しましたね。
もちろん予算の都合なんでしょうけど、ホテルに篭城して襲い来る敵をギリギリで撃破する展開は緊張感たっぷり。
味方とおぼしきは、エヴァリーの銃弾で瀕死のヤクザの下っ端だけ。
こいつがまたいい味だしてるんです。
孤立無縁なまま、家族にまで手を伸ばそうとするヤクザの親玉を何とか欺こうと閉ざされた部屋で苦心する展開は、この手の映画に欠落しがちな「地に足のついたドラマ」がある、と感心させられました。
まあ、つっこみどころは色々あったりはするんです。
売春婦がそこまで無敵なはずがないだろう、というのは大前提ですし、攻防に工夫がない、というのもネック。
でもこれを子供を守るために死にもの狂いになる母親の物語として落されちゃうとね、出かかった言葉も飲み込んでしまう、ってなもんです。
改善の余地は細部に色々あったりしますが、芯にあるストーリーが強いんで、全部許せてしまう、といったところでしょうか。
エンディング、なんだか続編に色気を見せているようにも思えますが、ここはもうすっぱりぶった切ったほうが良かった、というのが唯一ひっかかった点、ですかね。
なぜか渡辺裕之が敵の親玉役で出演。
東洋系の役者もたくさん出てます。
監督、日本贔屓なんでしょうかね。
ノンストップで楽しめる一作だと思います。