アメリカ 2014
監督 ジョン・スーツ
脚本 ダン・シェイファー
原作はカルト的人気を誇るグラフィックノベルらしいんですが、いったいこの退屈さは何事か、と言いたくなるほど凡庸な出来で軽く目眩。
なんといいますか、本当にアメリカ人はなんでもかんでも超人にしたがって困ったものだ、といいますか。
「多重人格者の超人」って・・・・突飛ならいいってもんじゃないだろうと。
原作がどうなのかはわかりませんが、統合失調症って病気を、上っ面だけで判断して料理してるから微塵もリアルさがないんですよね。
そもそも多重人格を得体の知れない機械で電気ショック風に治療していくって、70年代かよ、って話であって。
はっきりいってこのシーンだけで軽く人権問題。
しかもその機械で超人化しちゃうって、観客をなめるのにもほどがある。
どこをどう好意的に解釈してもありえない。
スパイダーマン以上に荒唐無稽。
結局、本気で取り組んでないんですね。
精神疾患を題材にしたいなら、その苦悩であり、狂気は避けて通れないと思うんです。
そこに踏み込むことなく、物珍しさだけでカメラ回しちゃってるから伝わってくるものがなにもない。
世間からつまはじきにされたアウトローと、心の病を同じ文脈で語ってエンターティメントにできるわけがないだろうと。
監督はバカです。
原作ファンを裏切らないようにやったつもりなのかもしれませんが、少なくとも2014年に発表していいような内容じゃない。
駄作。
頭の中がお花畑な人が作った映画。