009ノ1

1967年初出 石ノ森章太郎
中公コミック文庫 全4巻

009とタイトルにありますが、サイボーグ009と直接的な関係はありません。

さしずめジェームズボンドの007をもじった、ってなところでしょうか。

主人公は肉体をサイボーグ化した女スパイ。

近未来を舞台に、秘密諜報部00機関の任務を人知れず遂行する日々の非情なるドラマを描く、ってな按配なんですが、なんといいますか、色々とこっ恥ずかしいものがあれこれありまして。

時代の風雪にさらされてギャグ寸前、というのは正直否定できません。

青年誌黎明期の手探りな試行錯誤はよくわかるんですが、先生、とりあえず乳マシンガンはあまりにも突飛すぎるアイディアでしょう、と。

ビジンダーじゃないんだから。

お色気たっぷりに、という意向もよくわかるんですが、女の裸のデッサンが完全に狂ってるんです、先生。

設定はいいと思うんですが、やっぱり凄く背伸びしたんだろうなあ、と言うのが伝わる内容。

珍作の部類、でしょうね、やっぱり。

改めて今読むには石ノ森章太郎という漫画家の資質を誤解しかねない危険性あり。

ま、作者のようにギネス級に多作な人の場合、どうしたって玉石混交になっちゃうんだろうなあ。

余談ですがアニメは全然ストーリーが違うみたいです。

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