2024 アメリカ
監督、脚本 タイ・ウェスト

三作目にして微妙に路線が変わるが、それをどう受け止めるかはその人次第
とりあえず『ホラー映画の三部作を作る』という、いまだかつてない偉業を達成したタイ・ウェストの行動力、力量は称賛に値する、と思いますね。
A24ならではだとは思いますが、普通は思いついてもやらないし、やらせてくれる制作会社がない、って話ですし。
ましてや興行成績によっては途中で中断する可能性もあったわけですから。
信じて最後までやり遂げた監督と関係者に、一観客ながら少し感動したり。
ミア・ゴスという希代の個性派女優を連れてきたことも大きかった。
パール(2022)における彼女の演技にはほんとぶったまげましたからね、私。
今も強烈に脳裏に焼き付いてますから、ミア・ゴス。
うん、よかったよかった、本作もそこそこヒットしたみたいだし、これで『次につながる実績』を業界に印象付けることに成功したといえると思いますしね、終わり良ければ総て良し、ってことで、もういいんじゃないかな、うん、感想終わり・・・・って、このページを閉じたいところなんですけど、えーと・・・・・実はちょっと色々あって。
もうほんとあんまりケチつけたくないんですけど、やはりこれは書いておかねばならんか、と。
実はね、私、この映画のこと、最後まで勘違いしてたんですよね。
何を?って、マジでお恥ずかしいんですが、ミア・ゴス演じる主人公のことを、私はずっとパールだと思い込んでたんですよね。
題名がマキシーンなのにも、関わらず、だ。
笑ってくれい。
なので、最初から最後までなんか上手にお話がつながらないわけですよ。
えっ?パールはいつの間にポルノ女優に?とか、あそこまで頭のネジのとんだサイコキラーが成功の階段のぼって映画スターとか、おかしくない?とか。
挙句には、この作品は過去二作に比べて説得力がなさすぎる、と憤慨する始末。
やばかった、つい数分前までクソミソに難点を羅列した感想書く気、まんまんだった。
よくぞギリギリで気づいた、俺、えらいぞ(えらくねえよ)。
いや、でもね、勘違いしちゃわない?ていうか、他にも勘違いした人、いなくない?マジな話。
そもそもミア・ゴスがパールとマキシーンの一人二役を演じるからこっちも勘違いするんだ!とカスハラまがいの八つ当たりをぶちかましてみたり。
ていうかさ、二作目であれだけ盛り上がったんだから、三作目は一作目にループするための時間に費やすべきじゃないか?と思うわけですよ。
マキシーンのその後とか、みんなそんなに気になるか?って。
やっぱその内面を紐解くべきなのは殺人鬼パールでしょ、と。
制作側の意図として、パールとマキシーンの共通項をあぶりだすことが三部作のテーマとしてあったんでしょうけど、それを貫いちゃうと『物足りなさ』みたいなのは絶対に表出してくる、と思うんですよね。
しいては前作にまでは色濃く漂っていた狂気が不在。
いくらマキシーンが武闘派で、終盤にはそれなりの盛り上がりをみせる展開が待ち受けているからとはいえ、欠けたピース(パール)を差し引いた分、作品に温度差が生じてくるのはどうしたって避けられない。
というかジャンルが変わっちゃってる気がしますね、微妙にね。
ホラー/スラッシャームービーだったはずが、成り上がり女優のサスペンスみたいな案配に。
なんだかブライアン・デ・パルマの一連の作品を思い出したりしましたね。
ま、私はつい先ほどまで強烈な勘違いをしてた人間ですんで。
この最終作をフラットに評価できてる自信がない。
それを踏まえたうえで、ひとつだけ言えるのは、一番おとなしくない?三作目?ってなことぐらい。
うーん、今回ばかりは他の識者な方々のレビューを参考にしていただいた方がよいかもしれない。
えっ、いつも参考にしたことない、って?
・・・そうか、いいんだよパトラッシュ(遠い目)。
自分のしくじりでなんだかよくわかんなくなってる、というダメっぷりでまことに相すいません。
でもやっぱりパールが最高傑作かな、三作の中では。
ねじレート 70/100

