1980年初出 松本零士
朝日ソノラマサンコミックス
これがまたもう、一体なにをどうしたかったのかのレベルでグダグダな内容でして。
例の眼鏡で短足の四畳半なあいつが主人公の、ナスカを舞台としたSFなんですが、地球外生命体について描きたかったのか、有尾人について描きたかったのか、よくわからないままテーマそのものがあちらへこちらへと脱線しまくり。
相変わらず思わせぶりな謎や伏線はアクロバティックな展開と共にちりばめられてるんですが、なにも明かされないし、収束することもなし。
意外性を狙ってその場その場の思いつきだけで構築した散文詩みたいな作品。
いやこれはさすがにダメだと思う次第。
昆虫皇帝(1978)と似た感じで物語の体をなしてない、というのは言いすぎですかね。
もうちょっと集中して描いて、と進言したくなる一冊。