1978年初出 松本零士
講談社マガジンKC 全4巻
松本スターシステムではおなじみのエメラルダスが主人公のシリーズ。
しかしまあハーロックといいエメラルダスといい、意志の硬い頑固一徹な青少年に手を貸すというか、なにくれとなく世話をやくのが本当に好きな人たちだなあ、と。
本作もほとんどが海野広という少年のストーリー。
エメラルダス本人の過去はあまり語られていない。
ハーロックもそういえばそうだったわけですが。
というかハーロックとエメラルダス、性別は違うけれど、ほとんどキャラは同じなのであえて差別化する必要もないのでは、と思ったりもするんですが、やっぱりそりゃダメなんでしょうね。
そもそもエメラルダスと言う存在の目的意識というか宇宙を航海する理由が曖昧模糊としていてよくわからないので、物語自体もさしたるベクトルや求心力を持たないままどこか他人事です。
ふわふわと漂うように現在と過去を行き来して断片的なままなんとなく尻すぼみで終息。
いや、未完なのかこれは?ひょっとして?
評価の難しい作品。
ファンは一読の価値ありでしょうが、通読してもエメラルダスのことがよくわかるわけではないのが辛いところ。
死に場所を求めているのか、なんてうがった見方も出来そうですが、うーん、わかりません。