葬送のフリーレン

2020年初出 山田鐘人/アベツカサ
小学館サンデーコミックス 1~7巻(以降続刊)

いわゆるRPGのドラゴンクエストにおける、魔王討伐後の日々をぼんやりと仮想したかのような作品。

前提としてドラゴンクエストをプレイしたことがないと、この漫画の面白さは半分も伝わらないと思います。

読者を選ぶ意味も含め、二次創作臭がかなり強い、と私は思った。

うーん、同人漫画でこれぐらいのことはとっくの昔にやってると思うんですけどね、違うのかな?

私はひと通りドラゴンクエストもファイナルファンタジーも通過してきてる世代ですが、それでもこの作品の高く評価される理由が正直よくわかりません。

人の心の機微を長寿のエルフの目線を通してみずみずしく描いてる、なんて言われてますが、そんなのわざわざRPGの世界観を借用しなくてもできることであってね、なんで剣と魔法の世界をお膳立てしてやる必要があるんだ?って話なわけですよ。

この内容だと、魔法使いフリーレンの悠久にも等しい寿命が、移り変わる世界をどう捉えるのか?を描いていくしかないと思うんですけどね、後日談だというのにまたパーティー組んで魔王討伐の旅と似たようなことしてるだけ、という体たらくでして。

もっと登場人物を片っ端から老化させて(殺して)いかんかい!と。

じゃないと少数民族であるフリーレンの孤独も、独自な時間感覚も、価値観も思考も何一つ浮き彫りにならない。

やってることはいわば八百比丘尼を主人公に据えるのと近しいわけだから、それがゆるい冒険譚にしかなってない、というのは想像力の欠如であり、発想の貧困さをさらけだしてるだけな気がしてならないですね。

7巻まで頑張って読んだんですが、この先劇的に変わりそうな気配も感じられなかったので中断。

しかしこれが大ヒットでアニメ化かあ・・・。

もう、わかりやすい漫画、馴染みやすい漫画じゃないと駄目なのか?とすら思いますね。

ま、嫌いなわけではないんですけどね、そこまで売れるほどのものじゃないだろ、ってのが私の本音。

暗いよー、怖いよー、は記憶の奥底に眠っていた面堂終太郎を思い起こさせて笑ってしまいましたけどね。

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