未来惑星ザルドス

アメリカ/イギリス/アイルランド 1974
監督、脚本 ジョン・ブアマン

不老不死の特権階級と、特権階級に奉仕するために働く下層階級に二分された2239年の世界を描くSF大作。

とりあえず冒頭で、いきなり巨大石像(ポスター参照)がゆっくり空を飛んでくるのを見て、かなり脱力しました。

昭和の子供向け特撮ヒーローもの(仮面の忍者 赤影とか)かよ!って。

時代が時代ですし、低予算映画ですんで仕方ないのかもしれませんが、もう本当にチープで。

人によっては、この石像空中浮遊場面を見ただけで早々に脱落しかねない、と思いましたね。

そこからさらに突飛さを上塗りしてくるのが、主演を努めたショーン・コネリーの赤褌(ふんどしではないな、すまん)パンイチの半裸コスチューム姿でして。

いやね、笑わせたいのか、と。

よくまあショーン・コネリーはこんな役受けたな、と。

古代ローマとか、あのあたりの時代をモチーフにしてるのかもしれませんけど、変だから、はっきり言って。

そういったセンスのズレというか、感覚のズレは美術や小道具にも如実に表れていて。

いや、すごく頑張ってるのはわかる、工夫してるのもわかるんだが、総じて珍妙。

見たことのないものを形にする空想力というか造形力というか、イマジネーションがどうにも陳腐。

簡単言うならかっこよくないし泥臭いんです、どれもこれも。

私はジョン・ブアマン監督の映像作品を他に見たことがないんで断言できませんが、オープニングで主要な登場人物であるアーサーが一人語りするシーンひとつとっても、ああこの人は壊滅的にスタイリシュさみたいなものとは対局にいる、と感じざるを得なかった。

なんで髭を顔料で書くかな、と思うし。

顔面だけを暗闇に浮遊させるのも意味わからんし。

狂言回しに徹するなら徹するで、もっと他に演出のしようがあっただろう、と。

物語の構成というか、シナリオ進行もどこかむらっ気があって。

妙に暗示的で抽象的な台詞回しで煙に巻いたかと思えば、突然大きく展開を端折ったかのような断絶があったりする。

え?いつの間にそんな事になったの?!そこはきっちり描いてくれないと駄目でしょうが、みたいな。

脈絡の無さみたいなものが目につくんですよね。

ま、やりたかった事はわかります。

神殺しをテーマとした新しい神話の創出を試みたんでしょう、きっと。

原作の力なのかもしれないですけど、そういった意味では壮大で骨太だし、思わぬ種あかしもあったし、終盤の無常観も決して悪くはない。

ただね、やっぱり「あんまり上手くない」と思うんですよね、私は。

この作品にとても力を注いでるのはわかりますが、色んなものが追いついてない。

野心的で濃密だが、どこかB級、というのが結論でしょうか。

怪作でしょうね。

一部マニアは好きそう。

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