2016年初出 倉薗紀彦
ぶんか社
いわゆるオカルト伝奇ホラー(スプラッター?)と言っていい一作だと思うんですが、清々しいまでにB級ですね。
作者は70年代のチープなアメリカンホラー映画を意識したのかもしれませんけど、オマージュとしてもリテイクとしても現代に通用するものは、悲しいかな、何もないように思います。
なんというか、なにもかもが突拍子もないんですよね。
絶滅石によるカタストロフを描きたいなら、その背景にあるものをもっともらしくでっちあげることは不可欠だと思うんですよ。
ただ、存在しました、ですから。
何年かに一度訪れる試練の日に人は狂う、と言われてもですね、ITやジーパーズ・クリーパーズの規模ならともかく、ほぼ街まるごとが全滅に瀕する危機を経ていながら、その後無防備に暮らしてました、って、もう頭おかしいレベルですしね。
軍が介入していながら、謎の大規模大量殺戮があった場所をそのまま放置ってのも、ちょっと考えられない。
しかも厄災の日を待ち構えてるやつまで居る始末。
死にたがりなのか?と。
さっさと逃げろよ、って。
キャラクターの立て方、舞台のお膳立ても含め、ビデオゲームレベルの雑さだと思います。
これならサイレントヒルでもプレイしときゃいいじゃん、と。
とりあえず、矛盾をはらみまくってる物語作りから見直した方がいいと思いますね。
私が評価できる部分はないですね。
絵が達者なだけに残念。