新聞記者

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日本 2019
監督 藤井道人
原案 望月衣塑子、河村光庸

加計学園問題の裏側に迫ろうとする一人の女性新聞記者を描いたポリティカル・サスペンス。

もちろん劇中では加計学園の「か」の字も出てこないわけですが、誰が見ても「こりゃあのことだな」とわかる作りになってます。

久しくこの手の告発映画って、日本じゃ見かけなかったように思うんですよ。

よくぞまあクランクアップ、公開にまでこぎつけられたものだな、と。

その反骨心、勇気にはただただ感服ですね。

私もね、いつの間にこんな感じになっちゃったのか、よくわからないんですけど、現政権に対する批判や悪態って、いつの間にか封殺されるというか、つっこんで報道されなくなって随分経つような気がするんです。

不甲斐ない野党の揚げ足とりだけで国会は空転し、都合の悪いことは全部もみ消して幕引きみたいな政治が常態化しちゃってるというか。

でもいざ選挙となればそんな政府を国民は支持して長期政権が覆る気配もない。

誰の責任でこんなことになったのか?と問うなら、私は全部許しちゃってる我々国民じゃないのか、と思うんですが、やはり声を上げるにもきっかけは必要で。

なにが起こっているのか知ること、ってとても大事だと思うんです。

そういう意味では、映像媒体でここまでつっこんで遠慮呵責無く、不正は不正と言い切ったこの映画の功績は大きい。

やはり物事って、肯定と否定のバランスがとれていてこそ健全だと思いますし。

ただ一方の言い分だけがまかり通る世の中なんてどう考えてもまともじゃない。

もうね、なんだか見てて情けなくなってくる、ってのが正直な感想ですね。

いい大人が必死になって責任押し付けあって蜥蜴の尻尾切りですからね。

特に内閣調査室がやってることとか、これが限りなく真実に近いのだとするなら、愚直としか言いようがない。

かつて中世ヨーロッパでは王の側に宮廷道化師が常駐して、あえて王の所業を批判させたと歴史にはありますが、今の日本政府がやってることって、道化師総免職及び徹底した箝口令で在野に放逐ですよ。

なんて余裕がないんだろう、と。

ま、権力なんてのは長く務めれば務めるほど腐敗していくものですから、当たり前の結果といえばそうなんでしょうけど、それにしても子供じみてる。

嘘ついたけど認めたくないから、そのあたりはなんとかうまくやってよ、なにをどう糊塗して誰の責任にするかは任せた、で、もうすぐ7年ですからね。

ぶっちゃけ事の真相は突飛過ぎやしないか?と思いますし、なぜかブレまくる前半のカメラワークも疑問だったりはするんですが、少なくとも、そろそろ変えていかなきゃならないんじゃないか?と無関心層を啓蒙する役割は十二分に果たしてるように思いますね。

問題は次を担う人材がさっぱり見当たらないことだったりもするんですが、うん、まあ私見だ。

イデオロギーの違いはあれど、こういう映画はもっとたくさん制作されるべきだ、と私は思いますね。

そのための先鞭になってほしいし、礎であってほしい、と願うばかりです。

この手の映画が完全に消えてしまった時こそ、本当の終わりの始まりだと思うんで。

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