友達100人できるかな

友達100人できるかな

2009年初出 とよ田みのる
講談社アフタヌーンKC 全5巻

外宇宙より飛来した宇宙人によって子供時代に時間跳躍させられた主人公が、「愛の存在」を証明するために、なぜか友達100人作ることを強要されるSFファンタジー。

もし100人の友達を作れなかったら、地球より遥かに進んだ科学力でもって人類を滅亡させる、というのが宇宙人の決めゼリフ。

はたして宇宙人はなんでそんな面倒くさいことをわざわざ主人公に強いるのか?本当の意図はどこにあるのか?というのが物語の読みどころでしょうか。

『地球は宇宙人から見れば科学力のお粗末な後進星だった』という設定が80年代的もあり、鉄腕バーディー(2003~)のようでもあるんですが、既出の作品と違うのはユーモア色が強く、どこか藤子不二雄風であることですかね。

絵柄も児童漫画っぽいというか、岡崎二郎に近い感じ。

子供が主人公なんで余計にそう思うのかも知れませんが、アフタヌーンっぽさはあまりないですね。

一話完結形式で、主人公が一人づつ友達を増やしていく様子を泥臭くも感動路線で作者は描いていくんですが、少年漫画っぽいな・・と思いつつもこれが決して悪くはなくて。

ドラマ作りの才に長けてる、とでもいいましょうか。

大人が読んでても、ふと心を鷲掴みにされる展開があったり。

また、監視役として少女に化けて主人公につきまとう宇宙人のキャラが秀逸で。

はからずも爆笑させられること数度。

漫画家としての力量は高いと思いますね。

特に唸らされたのは5巻終盤の展開。

100人の友達作りを達成するために主人公がとった行動とその顛末には胸打たれるものがありましたし、宇宙人の真の意図が明らかになるエンディングには「そういう角度から解釈するのか!」と驚かされました。

作者はロマンチストで心優しい人なんだろうなあ、と思います。

それが気恥ずかしい、甘ったるい、と感じる人もいるんでしょうけど、似たようなプロットのSFが大量にある中で、作者独自の創意と感性がまるで既出の作品とは別物であるかのように物語を色づけてるのは間違いないと思います。

秀作だと思いますね。

世の中すべてを愛で満たすこともひょっとしたら可能なのかもしれない、と思わず夢見てしまいそうになる寓話的感動作だと思いますね。

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