特捜部Q キジ殺し

デンマーク/ドイツ/スウェーデン 2014
監督 ミケル・ノルゴート
原作 ユッシ・エーズラ・オールスン

特捜部Q キジ殺し

特捜部Qシリーズ、第2弾。

今作より、特捜部Qが正式な部署として発足しますが、事務のお姉ちゃんが一人増えただけであまり前作となにかが変わった印象はなし。

作中ではお姉ちゃんが割と重要人物扱いされてますが、もうちょっと華のある女優さんをキャスティングできなかったのか、とちょっと思ったり。

特捜部Qの第三のブレーンとして描きたい意図が透けて見える割にはぞんざいな扱いだ、と感じたんですが、まあそりゃいいか。

カールとアサドは相変わらずなんで、ファンの期待は裏切られないことでしょう。

今回、2人が追うのは20年前の殺人事件。

すでに犯人は逮捕されているんですが、どうも冤罪っぽい、ってところから現在に事件がつながっていく形なんですね。

前作ではカールの横紙破りな捜査ぶりばかりが目につきましたが、本作では、それもすべてはカールが犯罪者を許さぬ熱い男だからだ、みたいな部分に焦点が当てられてます。

単なるはみ出し者な頑固野郎じゃないんだ、とした主人公の内面の掘り下げが注目点でしょうか。

事件そのものにたいした謎解きや衝撃の真実はありません。

早い段階から犯人の面は割れてますしね。

どう逮捕まで持っていくのか、が見どころ。

そういった意味では前作ほどのインパクトはないかも。

序盤の学園もの風な展開が、ちょっとまどろっこしかったりもするかもしれません。

ただそれも、中盤以降の読めない筋運びと丁寧なドラマ作りが帳消し。

おそらくこれは原作の持つ力だと思うんですが、さりげないアサドのセリフやキミーのセリフ、愛と憎しみの間で揺れる女心の細やかな描写なんかがね、やたら胸を打つんですよね。

カールとキミーが、上手に仲間を作れない者同士として、か細くも信頼の糸を紡いでいく裏設定にもぐっとくるものが。

続編としては充分及第点じゃないでしょうか。

もうちょっと長くてもよかった、と思えた時点で私の中では秀作。

よし、第三弾も見よう、と思える内容だった、と思いますね。

ところで「キジ殺し」のタイトルの意味がよくわからんのですが、これはどういうこと?

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