鳥葬のバベル

鳥葬のバベル

2016年初出 二宮志郎
講談社モーニングKC 1巻(全4巻)

小池ノクトと絵柄が非常に似通ってるように思うんですが、アシスタントかなんかやってたんですかね?作者は。

画力は申し分ないと思います。

数ページ読んで、ちゃんとプロでやっていけるだけの力量がある人だ、と思った。

ただね、シナリオがね、ちょっと飛ばしすぎなんですよね。

都会の街にいきなり人を食う巨大な鳥が現れるまでは良かった。

どう転ぶのかわからんインパクト大な導入部だったと思うんですよ。

でもその後がいけない。

コンビニで働いてるお姉ちゃんが、いきなり天使よろしく羽が生えて巨象みたいなクリーチャーと戦い出す、って、なんだそれ、って話で。

突然絵空事みたいになっちゃうんですよね。

悪くいうなら出来の悪いファンタジー。

いや、やっちゃダメってわけじゃないんですよ、でもそういう荒唐無稽さは怪鳥ネタをじっくり煮詰めてようやく正体とその目的があからさまになった終盤で持ち込むべき展開だと思うんです。

早々と手の内を明かしすぎ、といいますか。

高いレベルの要求をしちゃってるのかもしれませんが、青年誌でこの手のSF怪異譚をやってそこそこの支持を得るにはそのあたりをクリアしないと何かと難しいように私は思います。

やっぱりね、大人の読者、目の肥えた読者は冷めちゃいますよ、空飛ぶコンビニのお姉ちゃんに。

主人公の人物像がいささか極端に偏向気味なのも私はひっかかった。

居ないです、あんな青年。

あと、日本で未婚の若い男性が他人の女の子を引き取って育てる、ってありえないです。

里親制度も特別養子縁組も独身男性に預けたりとか、まずないですから。

色々もったいない、というのが正直な感想ですね。

面白くなりそうな気配は充分にあったんですけどね。

あまり人気が出ず、4巻で終わるみたいですが、くじけず次回作に挑んでほしいですね。

ほんの少し手口を変えれば化ける漫画家だとは思いました。

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