テロール教授の怪しい授業

2018年初出 カルロ・ゼン/石田点
講談社モーニングKC 1巻(以降続刊)

テロとカルトに関するゼミを受け持つ外国人教授?の講義内容を描いた、学園もの風うんちく漫画。

やってることは基本、ドラゴン桜(2003~)とか美味しんぼ(1985~)あたりとあんまり変わりません。

みんなが知ってそうで知らない物事の裏側を、絵解きでわかりやすくレクチャーするパターン。

いわゆる「ジャンル漫画」といってほぼ間違いないように思います。

あとはそこにどう物語を絡ませていくのか?が肝かと思うんですが(美味しんぼにおける山岡士郎と海原雄山の親子対立ドラマのように)1巻の時点では何も見えてこず。

講義を受ける学生の中からテロリストが誕生したり、カルト宗教にハマる奴がでてきたら面白いんじゃないか?と思うんですが、さてどうでしょう。

ま、思っていたよりも真っ当な内容だな、とは思いましたね。

書店で単行本を見かけた時は、てっきりテロを礼賛し、思想的に育成しようとする危ない教授の話に違いない!と思ったもので。

講談社も挑戦的だよなあ、と一人唸ってたんですが、違った。

というか、むしろ私が早合点したように、テロを賛美する内容のほうが「強烈な反面教師だ!」と話題になったのでは?という気もするんですが、それは流石に無理か。

読解力のない連中が悪書だと騒ぎ出しそう。

テロリストはいかにして生まれるのか?を語った回や、テロリストの根っことはなにかを見せつけた回は、単純に知らない事実が含まれていて興味深かったのは確かです。

見たものをそのまま鵜呑みにせず、多角的な考え方を養う意味では若い人にうってつけな1冊かもしれません。

あと、作画の石田点の画力が恐ろしく高いんで。

それだけで読んでられる、ってのは確実にある。

私はこの情報量なら関連書籍(活字)を読んだほうがコスパがよい、と思うので続きは追いませんが、こういう漫画がなにかのきっかけになることは往々にしてあると思うんで、末永く連載してほしいと思いますね。

石田点にはいつかオリジナルの作品を描いてほしいなあ、と思ったり。

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