アメリカ 1980
監督、脚本 ブライアン・デ・パルマ

いきなりオープニングは奥様のシャワーシーン。
なんのポルノか、といいたくなるような舐めるようなカメラの動きがらしいというか、狙ってるというか。
私がおおっ、っと思ったのは奥様が美術館で落した手袋を探して、見知らぬ男を追いかけるシーン。
全くセリフはないんです。
でも流麗なカメラワークが観客をぐいぐい引き込んでいくんですよね。
動きを止めないカメラがするすると最後に、タクシーのドアの窓にぴたっ、と止った瞬間、私は見事!と唸ってしまいました。
さすがデ・パルマ、の一言。
で、肝心のシナリオなんですが、まあ、作品の知名度の割にはチープだったりします。
意外な人物が犯人ではあるんですが、それが「まさかお前だったとは・・・・」とはならず、「お前だったのかよ!」と、思わずつっこんでしまうタイプのオチ。
まあその、あまりに伏線ゼロ、というか。
ちょっと無理がないか、と私は思ったりしました。
エンディングも安いホラーのよう。
デ・パルマファンにとってははずせない作品だと思いますが、個人的にはもっと素晴らしい作品をこの人は他に撮ってる、と思う次第。
サイコのオマージュ、と言われてますが、その線で軟着陸させておくのがまあ無難か、といった感じですね。