香港 2010
監督 ウィルソン・イップ
脚本 エドモンド・ウォン
ドニーイェン主演のイップマン序章の続編なんですが、これまた前作に引き続き素晴らしい出来。
ドニーの抑えた演技も変わらず見事なんですが、敵役としてサモハン・キン・ポーが出演しているのも見どころのひとつでしょうね。
特に中盤の、円卓の上でのアクションシーンは必見の凄さ。
しかしまあサモハンはあの体で本当によくやる、と思う。
しかもサモハンが登場して構えるや否や俄然緊張感がほとばしるのだから、さすがの一言。
ドニーの相手を勤める上でこれ以上のアクションスターなし、と思えてくるほど。
前作よりさらに上をいったな、と思えるのはこの作品が、過去日本軍に、そしてイギリスに統治され抑圧されてきた歴史を鑑みつつ、それでも中国人としての気高い精神性を説いている部分でしょうか。
西洋人ボクサー、ツイストとの激闘を終えて、イップマンが控え目に訥々と「相手を尊重すること」の大事さを語るシーンは胸が熱くなりました。
ドラマ部分の作りこみはさらに精度を上げてきたように思います。
あとはなにげないイップマンの日常を、アクションシーンなみにこだわりを持って撮れれば世界レベルだな、と私は思いました。
期待を裏切らぬ満足の一本。