アメリカ 1978
監督 ジョン・カーペンター
脚本 ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル
ジョン・カーペンターの出世作であり、いわゆるアメリカンホラーにおける「不死身の殺人鬼もの」の原点となった作品。
13日の金曜日のジェイソンもエルム街の悪夢のフレディも、すべてはここをヒントにした、と言うのだから、いかに公開当時のインパクトが絶大であったか、想像できるというもの。
さすがに数々のホラー映画を咀嚼したのちに後追いで見るとですね、あれ、そんなに怖いか?というのはあると思うんです。
ショッキングに血しぶきが飛ぶわけでもないし、ブギーマンもそれほど怪物度が高いわけでもないですし。
じわじわと迫りくる能面のサイコキラーに阿呆な高校生が次々惨殺、というのも今となっては黄金の定番パターンですし。
ただ、最初にこれをやった、という事を考慮に入れて鑑賞するとですね、あ、これはうまいな、と思える点がいくつか透けて見えてくるのでは、と思うんです。
ハロウィンの夜、大人は誰もいない住宅街を、助けの存在しない死角と見立てたのも秀逸だと思いますし、ブギーマンの素顔を最後まで写すことなく、謎めいた存在にした演出もさすがだと思う。
ああ多分こうなるんだろうな、とわかっていてもなんか最後までじっくり見ちゃうんですよね。
低予算映画の帝王、カーペンターの才気ほとばしる一作であることは間違いないように思います。
本人が作曲したテーマソングもあなどれない出来。