フランス 1995
監督 ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
脚本 ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ、ジル・アドリアン
とりあえず、独特の映像世界です。
デティールへのこだわりは半端じゃありません。
路線は大きくたがえず、細かなギャグあり、毒ありのファンタジーなんですが、ただちょっとテーマがブレ気味か、と言うのはありますね。
怪力だが頭の足りない大男と親のいない少女との心の交流を描きたかったのだろうと思うのですが、大男が囚われた弟を助け出す、と言うのが物語の主筋となっているため、どうしても少女の存在がサブストーリーに追いやられがちです。
ここは少女と弟の立場を入れ替えて、少女を救うストーリーにして欲しかったところ。
描かれている世界がどういう世界なのか、一切の説明がないのも、シンパシーを抱きにくくさせている、といえるでしょうね。
独特なキャラだけでは、やはり舞台は成り立たないように思うんです。
こういう作品は本当に好きなんで、それだけにシナリオの甘さが悔やまれてなりません。
余談ですがミエット役のジュディット・ヴィッテ、半端じゃないかわいさです。
ミエットをどう使うか、それにもっと腐心してくれていたらアメリをも超えた、と思うんですが、ちょっととっ散らかってしまった印象はやっぱりぬぐえない、といったところでしょうか。