1966年初出 手塚治虫
もし現代に吸血鬼や狼男がこっそり生き残っていたら・・・という物語なんですが、これ、似たような設定でハリウッド映画ありましたね。
訴訟起こしたら勝てそうな気もしますが、タランティーノみたいに潔く認めたりはしないだろうなあ、きっと。
そりゃどうでもいいか。
吸血鬼族を操つろうとするロックと、それを阻止しようとする周りの人間達の攻防を描いた一作なんですが、悪徳のピカレスクロマンって感じで、あまり少年漫画らしくありません。
つまらないわけではないんですがロックが出てきて悪行を働こうとすると、たいていの作品はどんよりと暗く、面白味に欠けてくるというパターンが先生の著作にはあって、なんとなく後のアラバスターとか、想起したりもしましたね。
先生本人も狂言回し以上の役柄で本作に登場していて、力の入った作品だ、と思うんですが、結局はロックというキャラにふりまわされてスカッとしないまま終わっちゃったような気もします。
秋田書店版の4巻から第2部が掲載されていますが、これは雑誌の休刊に伴い中断。
その後、続きが描かれることはなし。
テレビドラマ化もされた有名な作品ですが、先生のダークサイドってな印象で、私はあまり好きではないです。
題材はよかったように思うんですが。