1996年初出 松本大洋
小学館ビッグコミックスピリッツ 全5巻
松本大洋にしてはケレン味のない普通のスポーツ漫画だと思いますね。
だからこそ映画化やアニメ化につながった、ということなのかもしれませんが。
努力と才能をどういう形で競技に反映させドラマ化するか?という点において、きちんと先達が築き上げたセオリーを踏んで、演出してるのに少し驚かされました。
編集の助言もあったのかもしれませんが、やろうと思えば直球勝負もできるんじゃん、って。
もともと地力がある人だと思うんで、本人さえその気になれば長期連載も可能だったと思いますね、この内容なら。
そういう形での成功はきっと望んでない人なんでしょうけど。
なんとなく柔道部物語(1985~)やおれは鉄平(1973~)を思い出したり。
ここで枠に収まらなかったからこそ、その後の活躍が他とは一線を画すものになったことを考えると、5巻で終了したのは正しい選択だったのかもしれませんけどね。
松本ファンの位置づけがどうなってるのかはわかりませんが、初めて作者の作品に触れる人にとっては馴染みやすい一作かとは思います。
入門編、でしょうかね。