2005年初版 岩岡ヒサエ
小学館ikkiコミックス
<収録短編>
むかしむかし
マタ今度ネ
こあくまとよる
骨董屋さくら堂
しろいくも
ヒミズの丘
夢の国
ぶどう摘み
おウチに帰ろう
はなのはなし
花の咲く道
たまごの水
ホッピーズベア
在るところへ
収録されている9割の短編が同人誌に掲載されたものであるので、土星マンションと並列に語るのは少し気の毒か、と思わなくもないですが、正直、印象に残るものはほとんどなかったですね。
賞レースを争った表題作「しろいくも」や「夢の底」も特筆すべきものがあるようには思えませんでしたし。
かつて、24年組に続け、と試行錯誤を繰り返していた女流漫画家の多くがその最初期には似たような作品を描いていたような気がします。
適度にファンタジックで、夢見がちで。
絵柄は現在につらなる個性がすでに確立されつつありますが、この作品集に限って言うなら、まだこの先どうなるのかまるでわからないぼんやりした状態にあると思います。
評価するのは個人的に難しいものがありますね。
最近のファンが逆行して追いかける分には良いかも知れませんが。