ガンジョリ

2007年初版 いがらしみきお
小学館ビッグコミックス

いがらしみきおモダンホラー傑作選、と銘打たれてますが、ホラーなのは1作目と最後の作品ぐらいで後はどっちかというとやや荒唐無稽なSF。

総じて短編の割にはオチが弱い印象もありますが、表題作のガンジョリだけは非常に良くできた、教科書のようなホラーだったと思います。

田舎にドライヴに出かけたバカなカップル6人組がうらびれたロッジで殺人鬼だか化物だかに追い回され全滅する、ってのは80年代から連綿と続くアメリカンホラー王道の手口だと思うんですが、それを日本に当てはめるとこうなるのか、と。

オチまでセオリー通りで思わずニヤリ。

誰かこれ、映画化してくれんか、と思う。

この内容だったら多分漫画より映画向き。

閉塞した田舎の村社会を本作並に上手に描くことが出来れば傑作になると思います。

昔、矢口高雄は田園詩人と評されたことがありましたが、どうもいがらしみきおはその真逆、田園の暗黒面を晒そうとしているような気がしますね。

狂気をあぶりだす手腕は突出しているように感じました。

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