カナダ 1997
監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本 ヴィンチェンゾ・ナタリ、アンドレ・ビジェリク、グレーム・マンソン
振り返るなら、後に大きなブームを巻き起こしたシチュエーションスリラーと呼ばれるジャンルに最初の一石を投じたのはこの作品だったのでは、と思ったりもします。
作品の背景や細かな設定に気を配らなくても、緻密なルール作りと少しぎょっとするぐらいのショッキングな絵があれば、充分観客は熱狂する、と証明してみせたのが本作でしょうね。
あ、これでもいいんだ、と膝をうった関係者は大量に居たのでは、という気がします。
ただまあ私なんかはあまりにその手の作品が大量に増殖したものですから、思わず功罪、なんて単語が脳裏をよぎったりもするわけですが。
ある種の寓話、としてとらえることも出来る、と言うのがこの作品の優れた点だと思います。
エンディング、唯一脱出できたのは誰か、そのラストシーンがひどく余韻をひいて、あれこれ我々にその意味を考えさせるんですよね 。
これはうまかったと思う。
しかしなあ、こんなの撮っちゃってこの後いったいどうするつもりだ、と当時私は思ったんですが、予想通り監督はその後長い間CUBEの呪縛に囚われ続けてしまったように感じます。
何を撮ってもCUBEのナタリ、のくくりでどうしても語られてしまう。
多分それを超えようと思ったらもうCUBE2をやるしかなんでしょうけど、別監督ですでに発表されちゃってますしね。
いつかCUBEが過去のものになる日が来るのか、いまだ注視している状態ではあります。
コメント
[…] CUBE […]
[…] なんせCUBEの次の作品なんで、さぞや肩の荷は重かったことだろうな、と思われますが、監督なりによくがんばった方なんじゃないか、と私は思っていたりします。 […]