アメリカ 2017
監督 ジョン・キャメロン・ミッチェル
原作 ニール・ゲイマン
ロンドンパンクがテクノポップと正面衝突してSFをこじらせたような映画ですね。
舞台は70年代のイギリスなんですが、パンク大好きな小僧が偶然恋した女の子が実は宇宙人だった、ってのが物語の骨子でして。
そりゃもうね、当時を再現すべく衣装だの音楽だのにこだわってるのはわかりますし、宇宙人をもっともらしく(面白おかしく?)見せようとあれこれ工夫をこらしてるのは理解できるんですが、やっぱりねー、ネタそのものがどうしようもなく古い、ってのは否定のしようがないわけで。
今どき、マンガでも「彼女が宇宙人」なんてやらないですよ。
80年代ですらギリギリだった気がしますね、私は。
ぶっちゃけ真面目に見てられないです。
派手に笑わせてくれるわけでもないですし。
ミッチェル監督の個人的趣味全開な「あの頃はよかったね」的映画じゃないかと。
同監督のヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001)がお好きな方にとっては「待ってました!」ってな内容かもしれませんが、私の感覚では同年代を生きたパンクかぶれなおっさんにしか訴えるものがない作品な気がします。
ノスタルジーを喚起する懐古主義的一作。
残念ながら現代に通用するものはないように思います。
せめて70年代パンクをあえてシニカルにあざ笑うぐらいの「俯瞰する視点」があればまた違ったんでしょうが、これでは良さも悪さも何も伝わってこない、と思う次第。
オヤジの若かりし頃を懐かしんだ昔話、って印象ですね。
エル・ファニングはかわいかったです、以上。