ロシア 2017
監督 サリク・アンドレアシアン
脚本 アンドレイ・ガヴリロフ
簡単に言ってしまうならロシア版ファンタスティック・フォーですね。
で、それ以上でもそれ以下でもない点がこの作品の最大のネックかと。
冷戦時代に遺伝子改造された超人4人組が結集して、国家を危機に陥れる異能力科学者と対決する、というのがおおまかなあらすじなんですが、もうねー、なにもかもが借り物だらけでして。
なぜわざわざロシアを舞台にアメコミのまねごとをやらなきゃならんのか、と。
完全に「マーベルみたいな感じのやつやろうぜ!」ってノリなんですよね。
そこから一歩も進んでないです。
ロシアならではの独自性、オリジナリティなんてものは皆無。
また恐ろしく展開が早くて。
じっくり人物を描いたりとかはもういいから、さっさとドンパチやろうぜ、みたいな。
そりゃね、VFXの水準は高かったですし、加速装置ついてる剣客ハンとか熊男とかキャラ的には魅力的でしたけど、少年ジャンプじゃないんだからヒットの方程式にのっとってウケそうな素材だけで勝負されても困るわけです。
しかも終盤には戦隊ヒーローものみたいなオチが待ってたりもしますし・・・。
剽窃、と言ってもいいレベルじゃないでしょうかね。
これを楽しかった、と言う人を否定するつもりはありませんが、私は著作権無視で居直る中国の偽ディズニー遊園地に迷い込んだような気分になりましたね。
既視感を楽しめればいいですけど、一瞬でも呆れちゃったらもうそこで終わり。
素朴な疑問として「俺達だけのスーパーヒーローを作り上げてみせる!」みたいな矜持はねえの?と思いますね、制作陣に。
やっぱりなかなか皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015)みたいな作品は出てこないなあ。
3億ルーブルをつぎ込んだブロックバスター映画としちゃあ、無難に冒険してなくて正解なのかもしれませんけど、世界中がハリウッドみたいになっちゃってどうするのよ、と憂えるばかりですね、私は。
うーん、子供だましかと。