RENDEL レンデル

フィンランド 2017
監督、原案 イェッセ・ハーヤ

RENDEL レンデル

イェッセ・ハーヤ監督自らが発表したコミックを、自身の手で映画化した作品。

いわゆるダークヒーローもの、といっていいでしょう。

多分監督はアメコミ大好きだと思う。

世界を席巻するマーベルやDCの作品群に触発されて、きっとね「俺ならこうやる!」と創作意欲に火がついちゃったんでしょうね。

コミックのみならず映画にまで手を出す情熱と意欲は素晴らしい、と思いますが、まあ、誰もが「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」(2015)のような本歌取りができるかというと、そうでもなくて。

いや、ジーグみたいなのなのがついに北欧からも出てきたのか!と最初は思ったんですよ。

すまん、違った。

結論から言っちゃうなら見込み違いでございました。

そりゃね、やりたいことはよくわかりますよ。

復讐の鬼と化した男の壮絶な戦いをシリアスに描きたかったんでしょう。

でもね、そんなのとうの昔に本家アメリカのグラフィックノベル作家がさんざんやり尽くしてますしね。

あえてフィンランド産のヒーローを創出するにあたって、なんで二次創作みたいな有様になっちゃってるのか、と。

ていうか、これクロウ/飛翔伝説(1994)とほぼ同じ物語構造やんか!と。

違うのは主人公の容姿がクロウのようにお耽美で妖艶な感じじゃなくて、どこぞのスラッシャー映画のホッケーマスクの怪人のようであること。

・・・・・いや、ダメじゃん、それ。

アクションシーンが刑事ドラマレベル、ってのも痛かった。

いや、コマ送り風にプロセスをカットしてスピード感出そうとしてるのはわかるんですよ、でもね、アベンジャーズだのジャスティス・リーグだのでCG全開のありえないバトルシーンに慣れた目からしたら、どうしたってしょぼくれて見えるわけで。

なんだろ、ファン気質が高じるあまり、模倣を模倣と自覚することなくこれが俺様のオリジナルヒーローだ!と言い張ってるような映画、って感じですかね。

辛辣なことを言うようですが、原作からやりなおした方がいいと思います。

なんだかんだ言ってアメコミ映画って、やっぱりレベル高いのかもなあ、なんてふと考えたりもした1作でしたね。

「オリジナル」の意味そのものを監督に問いただしたくなりましたね、私は。

映画そのものの出来はひどく良くないわけじゃないんですけど、ここまで意外性ゼロだと擁護のしようがないです。

ダメだ、こりゃ。

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