カイと怪獣のタネ

2017年初出 ひらりん
徳間書店リュウコミックス 1巻(以下続刊)

普通に怪獣が世の中に存在する世界を舞台に、怪獣使いを名乗る少年とその仲間たちの冒険を描いたファンタジー。

怪獣には古代種と寄生種があって、そのどちらもタネから生まれる等、細かな設定が存在してはいるんですが、やはり最大の難点は「怪獣とはなんぞや?」ということがさっぱり明かされないストーリー展開にあると言っていいでしょうね。

別にタネから生まれようとタマゴから生まれようとどちらでもいいんですけど、じゃあ植物なのか?というとそうではないみたいだし、動物なのか、ウイルスのような寄生生命体なのか、その正体がまるで見当つかなくて。

宿主そのものの行動をも変えてしまう寄生種は、カタツムリに寄生するロイコクロリディウムみたいですけどね、寄生種のおかげで蘇った人間まで居るとなると、その法則性が全く見えてこなくなる。

早い話が「なんでもあり」すぎて、つかみどころがないんです。

怪獣の存在そのものを、疑似科学でもなんでもいいからそれなりに定義づけしておいてくれないと「何が起こっても不思議じゃない」が「やったもん勝ち」と同義になってしまう。

それって「独りよがり」ともいうわけですよ、エンタメの世界じゃあ。

これだと、ウルトラマンに代表される特撮ヒーローものの敵怪獣たちで遊んでみたかっただけなの?と言われても反論できないと思うんですよね。

楽しいのは作者だけ、という。

現状、ファンタジーというより夢物語、おとぎ話のレベルだと思います。

大前提に欠落してるものがある。

うーん、これならのろい屋しまいの続編を描いてくれてたほうがよっぽど・・・。

私は1巻で挫折しましたね。

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