アメリカ 1957
監督 スタンリー・キューブリック
原作 ライオネル・ホワイト
競馬場の売上金を狙った一味を描いた犯罪映画。
これがまた50年以上前の作品とは思えぬおもしろさで何事か、って感じでして。
やっぱりシナリオの緻密さでしょうかね。
誰がどういう役割を持って、どういう行動をし、それが結果何につながるのか、パズルのピースをひとつひとつ埋めていくように明らかになる進行は、ただただ気持ちが良い、の一言。
また伏線の引き方がうまい。
ああ、これはきっと後で面倒なことになる、とハラハラさせる要素を散りばめつつも、それが予想どうり展開せず、思わぬ場所に着地したりするんですね。
なんだこの見事な裏切りは、と感心することしきり。
POVなのか?と思わず目を凝らしてしまいそうになる迫力満点の競走馬疾走シーンにも驚かされました。
詳しくはわからないんですが、何でこんなに臨場感があるのか実に不思議。
そして特筆すべきはやはりあっ、と言わされる無常観漂うエンディング。
まさかアレがこのような役割をはたすとは、とその鮮やかさに舌を巻く。
ナレーションがちょっとウザかったり、同一時間に起きた出来事を多角的に描くため、時々時間が逆行するのに幾分混乱させられますが、こりゃ傑作でしょう。
オーシャンズ11とか好きな人は必見じゃないでしょうか。
いやはやキューブリックにはずれなし。