アメリカ 2014
監督、脚本 ランディ・ムーア
ディズニーワールドにおいて無許可撮影を敢行したことで注目を集めた1本。
作品のウェブサイトには「訴えられるまであと何日」としたカウンターがついており、そのジョークのセンスには、にやり、とさせられますが、ま、マイナーな低予算作品の話題性作りに過ぎない、と切って捨てちゃえないこともないです。
作品そのものにはメジャーなキャラクターの肖像権を露骨に侵害するようなものは写ってないように思うので、そこは作り手も防衛線を張ったか、という気もします。
なぜか白黒作品なんですが、これも訴えられないための苦肉の策かもしれません。
それ以外に何か意図がある風に私には思えませんでした。
で、そこまでして撮った肝心の作品の内容ですが、はっきり言って、なにがなんだかさっぱりわからぬ、というのが正直な感想。
深読みしよう、と思えばもちろん出来ます。
それっぽい意味深な描写や謎めいたガジェットはいくつか見受けられますし。
でもねー、私は別に深読みしなくていいと思うんです。
かのディズニーに挑戦状をたたきつけた、みたいな格好になってますんで、多くの人が必死であれこれ分析しようとしているみたいですが、私はこれ、最後まで見てまず思ったのが「別にディズニーじゃなくてもいいじゃん」でした。
ディズニーワールド、をいったん頭から排除して考えてみて欲しい、と思う次第です。
やっぱりね、誰かが言ってましたが「物語は直喩と暗喩が必要」で、隠喩だけで成り立たせようとしてもそれはよっぽどの物好きのための珍品にしかならないわけで、そこにね、わざわざ通りすがりの観客がつきあってやる必要はないと思うんです。
そこまで優しくなくてもいいと思う。
多分この映画の意味がわかってるのは監督だけでしょう。
そして私は是非監督の頭の中が知りたい、とまでは思えませんでした。
どうせゲリラ撮影やるならせめてマイケルムーアぐらいの反骨を私達に見せつけてくれよ、と思いましたね。