アメリカ 1997
監督 デヴィッド・フィンチャー
脚本 ジョン・ブランカトー、マイケル・フェリス
さて、これはどうなんだろうなあ、と。
ただただオチのために、持てる手法を駆使して恐るべき緊張感を持続させたフィンチャーは凄かった、と思うんですが、いや、それはダメだろ、とスクリーンの前でついつっこんでしまった人も大勢居たことと思われます。
あっ、と言わされることは間違いありません。
でも、これは禁じ手なのでは、と思う自分も居る。
なにが一番ひっかかるのか、って虚構の上に虚構を上塗りしていることなんですね。
つまり、なんでもできちゃうんです、これだと。
さらに辛辣に重箱の隅をつつくなら、「ゲーム」の計画性そのものが、安全面を含め杜撰すぎやしないか、と疑問に感じてしまうのが最大の難点でしょうね。
このオチなら細部に整合性を求めず、多少の矛盾があっても十分通用する、と考える制作陣の思惑が透けて見えちゃってるんですね。
映画が物語としてのリアリティを求めるものであるならこれは100%アウトだと思うんですが、そんなプロットでさえここまでスリリングに見せきった監督の手腕を評価したい、とする気持ちもどこかあったりする。
うーん、困った作品です。
たった1度きりの打ち上げ花火、としてとらえるなら、これはこれで華やかだったかもしれません。
もやもやするものが残るかどうかはあなた次第。