光る眼

アメリカ 1995
監督 ジョン・カーペンター
原作 ジョン・ウィンダム

「未知空間の恐怖/光る眼」のリメイク。

いわゆる侵略SFなわけですが、冒頭、一定の区間内の人間がすべて謎の失神状態に陥り、一切処置する手立てがない、という絵は導入部として強烈に引き込まれるものがあるなあ、と思いました。

失神していた人間の内、女性だけが全員妊娠していた、というアイディアも色褪せることなく斬新だと感じましたし。

問題はその後、なんですね。

シナリオの進め方として、誰の子供かわからぬというのに全員が出産を決意する、ってちょっとおかしくないか、と。

DNAについて言及されてるシーンがあるぐらいなのに、なぜそうも盲目的なのかがよくわからない。

特に父親側は猛烈な抵抗がありそうなのに、そこをあっさりスルーしちゃってるんですよね。

産まれた「どこか普通の子供とは違う子供達」が、異形である、と周りから認知される経過もはしょりすぎ。

ここ、凄い重要だと思うんです。

やっぱり普通の子供とは違うんだ、という認識の積み重ねがあってこそ、後半の恐怖も生きる、と思うんですね。

場面が切り替わると、もういきなり異形として街中を闊歩しちゃってるんですよね。

リメイクだし、みんな知ってるんでしょ?とカーペンターが思ったのかどうかわかりませんが、妙に演出が雑なんです。

ラストシーン、その先を考えると色んな想像が膨らむ興味深いものでしたが、そこに至るまでがどうにも中途半端で素直にカタルシスを得られず。

失敗作だと思います。

うーん、かいつまみすぎかと。

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