2003年初出 久正人
講談社マガジンZKC 上、下
おそらく作者のデビュー作。
長らく絶版でしたがこのほど講談社から新装版発行。
えー、アメリカのサイケデリックロックバンドのことじゃありませんからね、念のため。
清朝末期の中国を舞台にした霊幻道士ものなんですが、これがねー、やっぱりこの人は違う、と感心させられるおもしろさで、私は大満足です。
久正人は最初から久正人だった、と感服。
絵柄はね、まだ安定してないんですが、まさかキョンシー退治の物語でハードボイルドな味付けを馳走していただくことになろうなんて、思いもしませんでした。
掲載誌マガジンZで娼婦が主人公、と言う暴挙も作者らしくていいと思う。
残念なのは物語がちゃんと完結せずに終わっちゃってるところなんですが、多分これは人気が出なくて打ち切り、という事だったんでしょうね。
重箱の隅をつつくならね、未熟な点はいくつかありますが、これまでにあったどれでもないオリジナリティの高さを私は評価したい、と思います。
エリア51の雛形、と言えるかもしれません。
ファンなら必読でしょう。