1976年初版 山上たつひこ
秋田書店少年チャンピオンコミックス 全3巻
がきデカと平行して月刊チャンピオンに連載された作品。
設定に違いはあれど、やってることはほぼこまわり君と同じです。
こちらは茶坊主が主人公で、物語の舞台がお寺、というだけ。
がきデカとの微妙な違いは、暴走する変態キャラが主人公のざらしに加え、陽念と陰念の三人組である、という点ぐらいでしょうか。
師であるはずの和尚様がいつものざらしたちの悪ふざけの被害にあい、悲惨な状況に陥る、という逆転の構図が反権威的で作者らしいと思いますね。
というかこれもう仏罰ものだな、と。
宗教関係者が読んだら青筋立ててマジギレしそう。
ま、そういう人たちが山上たつひこを好んで読んでるとは思えませんが。
おそらく「がきデカみたいなギャグ漫画を」という依頼が編集部からあったのでは?と思うんですが、そこそこ人気があったのに短命に終わったのはそのあたりに原因があったのかも。
がきデカと同傾向の作品は多く発表されましたが、全部尻切れトンボで終わっちゃってますしね。
何がそうさせたのかはわかりませんが。
信仰すら足蹴にしてしまう破壊的な笑いが中毒性高いですが、変遷していく作者の作風を勘案するなら、まだまだ助走段階かな、と思わなくもありません。
このプロットで80年代に連載してほしかった気もしますね。
ファンは押さえておくべきでしょうけど、あまり過大に評価するほどでは・・というのが正直なところでしょうか。