影狩り

1969年初出 さいとうたかを
リイド社SPコミックス 全15巻

週刊ポストに連載された時代劇。

じわじわと人気が出て、後に映画化、テレビドラマ化されています。

幕府の密命を帯びて各藩に忍び込んだ草や忍者を「狩る」ことを生業とした3人衆の活躍を描いた作品なんですが、着眼点は面白い、と思うものの、いまひとつリアリズムに欠ける印象。

私が一番ひっかかったのは3人衆のあまりにも大胆な諸国行脚ぶりで、これだけ派手に名を売って幕府の手先を狩っていればまず間違いなく関所は通れないのではないか、と思うわけで。

面子にかけても3人衆を葬り去ろうと幕府の手先が暗躍するのでは、と思うんですが、そのような形跡は全くなし。

のんびり宿に泊まりながら馬で移動ですし。

その自由奔放さはまるでマカロニウエスタン。

あえて時代劇でマカロニウエスタン的なものをやろうとしたのかもしれませんが。

私の場合、時代劇には当時の文化、風俗、政治を背景とした現実味を強く望む人なんで、そういった作品の方向性にどうしてもついていけなかった、というのはあった。

あと、主人公の十兵衛のキャラクターデザインがどうみてもデューク東郷。

ゴルゴにひげを生やしてちょんまげを結わえたようにしか見えない。

最初に「ゴルゴやん!」とつっこんじゃったので、以降、何度見てもゴルゴにしか見えずひたすら困惑。

うーん、私には向かない作品ですね。

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